日本ラグビー協会は15日、22年1月開幕を予定する新リーグの概要を発表した。最上位の1部は12チームで、現在16チームのトップリーグ(TL)から4チーム減る構成。下部のトップチャレンジリーグ(TCL)全9チームを加えた計25チームが参加して3部制で行い、2部は7チーム、3部は6チームで戦う。チームの振り分けに反映される今季のTL、TCLの成績は、新型コロナウイルス禍で開幕が延期となり不透明。シーズン不成立に備え代替案も準備する異例の事態の中、世界最高峰を目指して本格的に動き出す。
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19年7月28日に日本協会の清宮克幸副会長(53)が新リーグ構想を公表してから約1年半。予定より大幅に遅れ、本来のTL開幕の前日に発表されたのは「企業チームを大事にする」(谷口氏)プロアマ混在の概要だった。完全プロ化を目指した“清宮構想”に対して、ラグビー不遇の時代から支えた企業側の反発は大きく、軌道修正。1部は1チーム16試合を戦い上位は世界に目線を向けるが、3部は年間最低10試合しかない設計になった。
事情が異なる25チーム全てに配慮するのは困難。社員選手を尊重し、「歪んだ構造にも意味がある」(谷口氏)との説明だったが格差は大きい。ファンクラブ会員数など事業運営力も審査要件だが、少ない試合数で魅力を訴えていけるかは未知数。支援する企業側のメリットが希薄になれば、離脱するチームも出かねない。コロナ禍で暗雲漂うラグビー界で、新たな希望となる新リーグは、既に多くの課題を抱えている。(ラグビー担当・大和田佳世)